たかちほ正史発酵蔵、9月13日、オープンいたしました。

 

こんにちは、たかちほ正史発酵蔵の竹之下正史です。 

実は僕、よくつぶやくんです。
「マジでうめー……」って(笑)

納豆って、毎日食べてると“当たり前の存在”になってきます。 でも僕は、この仕事をしている中で、 何百回、いや何千回と「マジでうめー……」とつぶやいてきました。

それも、けっこう真顔で、ちょっと小声で(笑)

なぜそんなことになるのか。 今日は、僕が“本気で感動する納豆の瞬間”について、話させてください。

 

1粒目で、今日の出来がわかる


実は、「うちの納豆って、やっぱりうまいな…」と本気で思ったのは、大人になってからでした。 昔から食べ慣れすぎてて、気づけてなかったんですけど、 あるとき他社さんの納豆をちゃんと食べ比べてみたら、

あれ……うちの納豆、うますぎじゃ?って、なりました(笑)

─ そして、そこからです、本気で“味の違い”に向き合うようになったのは。

それ以来、僕は毎日レシピを作る前に(これを日課にしています)、納豆の粒をそのまま2〜3粒食べるようになりました。 いわば、“職人としてのあいさつ”みたいなもの。

このひと粒目を食べた瞬間、 「あ、今日はめっちゃ仕上がってるな」とか 「ちょっと若いかな」とか、分かるんです。 完熟発酵で、豆の中に旨みがぎゅっと閉じ込められてるから、 この“ひと口目の感じ”が、本当に大事なんですよ。

で、たまに来るんですよ。“バチッとハマった日”。

そのときは、レシピ作りたくないんです(笑) 混ぜたくないし、何も乗せたくない。 そのままで 完璧だから。

箸を持つ手が止まって、思わず心の中で、

─「マジでうめー」

って、なるんです。

 

混ぜないって、サボりじゃない


うちの納豆は、混ぜなくても、旨みがピークに達するように作っています。 これは、技術とか工程とか、理屈もいろいろありますけど、 シンプルに言うと「仕上がってる」ってことです。

発酵が完熟していて、豆の甘みも香りも、 食べた瞬間にピークで来るようにしてる。

だから、混ぜなくてもおいしいし、 逆に“混ぜすぎると、もったいない”って感じる日すらあります。

これ、食べた人にはきっと伝わると思うんです。 最初のひと粒で、わかるんですよ。

 

納豆って、毎日同じようで違う

納豆って、実は“同じように作っても、毎日違う顔”を見せてくれます。 気温、湿度、大豆の状態、ほんの些細なことで変わる。

だから面白い。

で、その日その日の“納豆の表情”に、ちゃんと気づけた日は、 すごく満たされます。

そういうときに出てくるのが、あの一言なんです。

─「マジでうめー」

うちの納豆って、何回食べてもそう思える瞬間がある。 これって、案外すごいことじゃないかなと思っています。

 

ぜひ一粒目は、そのままで

これは、お願いというか提案なのですが、 うちの納豆を食べるときは、ぜひ、最初のひと粒だけでも“混ぜずに”食べてみてください。

あ、この感じか、ってなると思います。

毎日食べる納豆だからこそ、 「今日もうまかった」と思えることが、 ちょっとした幸せになると思うんです。

もし、そんな日があったら、 そのときはぜひ、こっそりでもいいので、

─「マジでうめー」
って、言ってみてください。

それが聞こえたら、僕はきっと、めちゃくちゃ嬉しいです。