こんにちは、たかちほ正史発酵蔵の竹之下正史です。
実は僕、よくつぶやくんです。
「マジでうめー……」って(笑)
納豆って、毎日食べてると“当たり前の存在”になってきます。 でも僕は、この仕事をしている中で、 何百回、いや何千回と「マジでうめー……」とつぶやいてきました。
それも、けっこう真顔で、ちょっと小声で(笑)
なぜそんなことになるのか。 今日は、僕が“本気で感動する納豆の瞬間”について、話させてください。
1粒目で、今日の出来がわかる
実は、「うちの納豆って、やっぱりうまいな…」と本気で思ったのは、大人になってからでした。 昔から食べ慣れすぎてて、気づけてなかったんですけど、 あるとき他社さんの納豆をちゃんと食べ比べてみたら、
あれ……うちの納豆、うますぎじゃ?って、なりました(笑)
─ そして、そこからです、本気で“味の違い”に向き合うようになったのは。
それ以来、僕は毎日レシピを作る前に(これを日課にしています)、納豆の粒をそのまま2〜3粒食べるようになりました。 いわば、“職人としてのあいさつ”みたいなもの。
このひと粒目を食べた瞬間、 「あ、今日はめっちゃ仕上がってるな」とか 「ちょっと若いかな」とか、分かるんです。 完熟発酵で、豆の中に旨みがぎゅっと閉じ込められてるから、 この“ひと口目の感じ”が、本当に大事なんですよ。
で、たまに来るんですよ。“バチッとハマった日”。
そのときは、レシピ作りたくないんです(笑) 混ぜたくないし、何も乗せたくない。 そのままで 完璧だから。
箸を持つ手が止まって、思わず心の中で、
─「マジでうめー」
って、なるんです。
混ぜないって、サボりじゃない
うちの納豆は、混ぜなくても、旨みがピークに達するように作っています。 これは、技術とか工程とか、理屈もいろいろありますけど、 シンプルに言うと「仕上がってる」ってことです。
発酵が完熟していて、豆の甘みも香りも、 食べた瞬間にピークで来るようにしてる。
だから、混ぜなくてもおいしいし、 逆に“混ぜすぎると、もったいない”って感じる日すらあります。
これ、食べた人にはきっと伝わると思うんです。 最初のひと粒で、わかるんですよ。
納豆って、毎日同じようで違う
納豆って、実は“同じように作っても、毎日違う顔”を見せてくれます。 気温、湿度、大豆の状態、ほんの些細なことで変わる。
だから面白い。
で、その日その日の“納豆の表情”に、ちゃんと気づけた日は、 すごく満たされます。
そういうときに出てくるのが、あの一言なんです。
─「マジでうめー」
うちの納豆って、何回食べてもそう思える瞬間がある。 これって、案外すごいことじゃないかなと思っています。
ぜひ一粒目は、そのままで
これは、お願いというか提案なのですが、 うちの納豆を食べるときは、ぜひ、最初のひと粒だけでも“混ぜずに”食べてみてください。
あ、この感じか、ってなると思います。
毎日食べる納豆だからこそ、 「今日もうまかった」と思えることが、 ちょっとした幸せになると思うんです。
もし、そんな日があったら、 そのときはぜひ、こっそりでもいいので、
─「マジでうめー」
って、言ってみてください。
それが聞こえたら、僕はきっと、めちゃくちゃ嬉しいです。
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